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開催報告:「協同組合の役割と可能性の再考 ― 共に築く未来」(2025年11月12日開催)

2025年12月30日


国連が2025年を「国際協同組合年」と定めたことを受け、去る11月12日、イベント「協同組合の役割と可能性の再考 ― 共に築く未来」をハイブリッド形式で開催しました。本イベントでは、日独それぞれにおける協同組合運動の先駆者、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ライファイゼン(1818年~1888年)と賀川豊彦(1888年~1960年)が掲げた理念に改めて光を当て、現代の若者にとってどのような意味を持つのかをテーマに考察しました。両者に共通するのは、自助、連帯、そして共同の責任という、協同組合の思想と実践を通じて、人々が自らの力で経済的・社会的な生活基盤を持続的に向上させられるという信念でした。

本プロジェクトは、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ライファイゼンの生誕地であるラインラント=プファルツ州ハム(ジーク)連合自治体より、「日本とのつながりを築きたい」という希望が当センターに寄せられたことをきっかけに始動しました。日本側の共催機関として、1921年に賀川豊彦が創設した日本初とされる生活協同組合であり、現在では世界有数の組合員数を誇る「コープこうべ」の参加を得られ、当センターがプロジェクト全体の構想・準備・運営に加え、イベントの司会進行も担当しました。

当日は、ハム(ジーク)連合自治体の文化会館、兵庫県三木市の研修施設「コープこうべ協同学苑」、ベルリン日独センターの3会場をオンラインでつなぎ、日独合わせて約20名の若者が参加しました。
ハム(ジーク)連合自治体のディートマー・ヘンリッヒ連合自治体長による歓迎の挨拶につづき、コープこうべから岩山利久組合長理事が挨拶の言葉を述べ、社会や暮らしを取り巻く環境が大きく変化するいまだからこそ、協同組合の理念がいっそう重要になっていると強調しました。双方の共催機関の活動紹介の後、ミヒャエル・クライン教授(ハイデルベルク大学)と柴田学准教授(関西学院大学)が、協同組合の将来における意義について、それぞれの専門的な立場から示唆に富む講演を行いました。

日独の若い参加者同士が意見交換するセッションでは、オンラインで初めて顔を合わせた若者たちが言語や国境の違いを越えて、暮らしの不安や将来の抱負について率直に語り合い、物価の高騰、不安定な雇用状況、人口動態の変化がもたらす影響など、実は多くの心配事が共通していることを認識しました。同時に、地域ネットワークの構築、家族向けの公共サービス、若者の新たな交流の場づくりといったニーズに関し、多くの参加者が協同組合の理念に具体的な希望を見出していました。また、協同組合の強みとして長期的な公共性を重視し、手頃な価格の住宅供給、持続可能なエネルギー、責任ある消費、そして社会的つながりの強化といった、将来に向けた重要課題に対して実効性のある解決策を提示できる点にある、という意見も出ました。

本プロジェクトを通して、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式を活かし、ベルリン日独センターが「出会いの場」として日独の若者をつなぐ役割を担うことができ、大変光栄に思います。本事業をともに支え、共催いただいたハム(ジーク)連合自治体およびコープこうべに深く感謝申し上げますとともに、このつながりが今後も広がっていくことを願っています。

本プロジェクトは、ハム(ジーク)連合自治体による支援を受けて実施されました。

コープこうべの公式サイトとYouTube公式チャンネルでも、開催報告をご覧いただけます。
コープこうべ公式サイトの開催報告
コープこうべ公式YouTubeチャンネルの動画



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